センター長からのメッセージ
山梨大学国際化推進センター長 西﨑 博光(にしざき ひろみつ)
21世紀に入ってからの情報通信(ICT)技術の発展には目まぐるしいものがあります。インターネット網の発展と世界的な交通ネットワークの構築により,我々は簡単に飛行機のチケットが買え,自分の興味ある場所に自由に行ける,そんな時代になったと言えます。そのような時代の中で,自身の出身国だけに活躍の場を求めることは大変もったいないことです。国籍が異なる人同士がコミュニケーションを取り合い,連携していくことは,多面的・多角的な思考を醸成していくことに繋がります。将来のより高いキャリア形成を目指したい,そのような志を持つ留学生が世界で増加しています。世界に多くの大学がある中で日本のしかも山梨大学に興味を持っていただき留学を志してくれる外国人留学生も,グローバル化の潮流にのって年々増えてきています。このような情勢から,海外からの留学生を支援する,海外へ留学する山梨大学の日本人学生を支援するための部署として,国際化推進センター(旧国際交流センター)が2014年に設置されました。初代センター長の茅暁陽教授(現山梨大学理事)の後任として二代目のセンター長を拝命し,山梨大学の国際関連業務を一手に担うその責務の大きさに身が引き締まる思いです。
山梨大学国際化推進センター・グローバル推進課では,外国人留学生のための日本語教育および修学・生活上の指導・相談はもちろん,日本に就職したい外国人留学生の支援を行っています。また,海外に目を向ける日本人学生の皆さんを応援しています。たとえば,海外の交流協定校への短期交換留学,春季や夏季の語学研修などのプログラムを提供しており,大学が全面的にサポートしています。留学経験は自分の経験を豊かにすることは間違いありません。留学先で異なる文化や価値観,言語を体験することで,自分の視野を広げることができます。また,留学先で出会う学生や現地の人々と交流することで,自分の考え方や見方に新しい刺激を受け,多様な視点を持つことができます。これらの経験は,将来的なキャリアや人生においてきっと役立つこととなるでしょう。留学は,ただ場所を変えて異なる言語で勉強するというのではなく,自分自身を大きく成長させる機会でもあります。したがって,山梨大学を留学先として選んでくださった外国人留学生にはそれができるように支援すること,海外に学びを求める山梨大学の日本人学生を支えていくことが,当センターの大きな使命でもあります。
私も山梨大学の教員になってから海外に研究留学をしたことがあります。私は工業高等専門学校出身ということもあり当初は英語が大の苦手で,英語で論文を書くことはもとより,留学についても考えたこともありませんでした。しかし,国際会議に参加し,世界中の研究者と交流したり現地の文化に触れる体験を積むことで,海外留学に興味を持ち始め,思い切って留学することにしました。海外の留学先の大学で学んだことはもちろん、見たり聞いたり感じたことは今の仕事の糧になっています。したがって,日本人にも積極的に海外に行ってほしいですし,外国人留学生も積極的に日本人と交流を持って欲しいのです。
私自身の経験からも,留学はハードルが高いと感じることはよく理解できます。最も不安なことはやはり語学でしょう。国際化推進センターではG-フィロス(グローバル共創学習室)を通した異文化コミュニケーションの体験の場を提供しています。ここでは山梨大学の学内において外国人留学生との英語でのコミュニケーションをとることができます。このような異文化コミュニケーション・語学学習を提供している場を活用することで,生きた外国語を学ぶことができ,少しずつ留学への自信がついてくるのだろうと思います。一方,外国人留学生にも,日本文化や習慣を理解し受け入れ,出身国とのギャップに面白さを見出してもらえると留学生活がより有意義になるものと思います。また,山梨大学が誇る最先端の研究への取り組みを通じて,より専門的な知識や技能を向上させていくことで,将来的なキャリア発展に汲みすることを切に願っております。
国際化推進センター・グローバル推進課では、外国人留学生の皆様の留学生活をより豊かなものにするため,様々なサービスを提供しております。また,日本人学生の海外への留学についての相談にも対応いたします。学生のみなさん,どんな小さなことでも構いません。何かお困りのことがございましたら、遠慮なくお問い合わせください。山梨大学国際化推進センターは、学生の皆様が、国際交流の経験を通じて夢を追い求める力を持ったグローバルな人材になることをサポートして参ります。